《この親にしてこの子あり》

ステーンはここで「この親にしてこの子あり」ということわざを絵にしました。ことわざの意味は、悪い見本が悪い行動を生む、ということです。左手に座っている女性は胸元を大きく開け、グラスに酒を注がせています。右手では、父親が笑いながら子供にパイプの吸い方を教えています。この父親は、ステーンの自画像です。

ステーンは、物語をユーモラスに表現するウィットに富んでいただけでなく、異なる素材の質感を見事に描き分ける技量も備えていました。この絵の中の、床に置かれた陶器の水差し、薄紫色のスカートの布地、グラスに泡を立てながら注がれるワインがその好例です。